|
フェロモンは嗅覚でうけとる信号
フェロモンの効果は、ファーブルの『昆虫記』にも登場している。蛾の雄が遠くから雌にひかれて集まる現象。もっともそれが雌の分泌する信号によると実証されたのは1959年のことで、フェロモンという名前が付けられたのも同年のこと。 ガの雌が放出するフェロモンはボンビコールと呼ばれているけれど、なんと数キロも離れたところにいる雄を引き寄せるそうで。空気1ミリリットルあたりわずか200分子の濃度で顕著なはたらきがみとめられるというから、さもありなん。 昆虫だけではない、雌犬だって一キロ離れたところにいる雄犬を興奮させるというから、哺乳類にもフェロモンはある。そうなると人間はどうか気になるところだけれど、人間にもフェロモンがあることはわかっている。女性にみられるドミトリー(寮)効果がその事例。同室に住む女性の月経周期が重なるという現象だ。 じゃあ男性をひきつける効果のほどはとなると、まだよくわかっていない。フェロモンにはなにも性フェロモンだけではなく、危険を仲間に知らせる警報フェロモンやアリがもっているような道しるべフェロモンなどもある。そんなのも人間にあるとよさそうだけれども。 ともあれ、清潔に気をとられるあまり身体を洗いすぎてはフェロモン効果も薄れる。さいきん異性が寄ってこないななんて人は、振り返ってみるといいかもしれない。いや、だからって一週間風呂に入るなということじゃなく。
|
|